メールマガジン第14号(平成18年6月)
◇目次

今月の数字: 28歳
杉並区公表資料:町丁、年齢(各歳)別人口
書籍紹介: 『「インテリジェンス」を一匙』
セミナー参加レポート:日経プラス1フォーラム「子どものコミュニケーション能力の育成 〜私たち親が子どもに出来ること〜」
雑感

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●今月の数字: 28歳・・・杉並区で最も年齢別人口が多い年齢 ●
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合計特殊出生率がさらに下がり、厚生労働省の人口動態統計(概数)では、平成17年は1.25(前年比0.04減)となったことが報道されました。

ところで、国立社会保障・人口問題研究所が公表している人口統計資料によれば、日本において年齢別人口が最も多いのは55歳です(平成16年段階)。
一方、杉並区で最も年齢別人口が多いのは、28歳です(平成18年5月1日段階)。

いかがでしょうか?
結構意外に感じた人も多いのではないでしょうか。

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●杉並区公表資料:町丁、年齢(各歳)別人口 ●
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杉並区では人口統計を毎月HP上で公表しており、町丁、年齢(各歳)別人口は下記から見ることができます。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/library.asp?genre=B01027

今回は平成18年5月1日段階での統計を元に、杉並区の特徴を見ていきたいと思います。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/h1805age.xls

杉並区においては28歳と58歳の二つの山があります。このあたりの2点で山が二つできるのは日本全体と同様の傾向ですが、両者の大きな違いは
・ 日本全体・・・58歳の山の方が大きい
・ 杉並区・・・28歳の山の方が大きい
ということです。

ちなみに、杉並区において、年齢別人口が1万人を超えているのは、25歳〜34歳になります。
つまり、杉並区においては、本来最も「政治的発言力」がある世代は、20代後半から30代前半ということになります。

また、17歳あたりから急激に年齢別人口が増えているのも、杉並区の特徴です。

こうした人口統計から杉並区の特性を考えると、

・ 単身で上京する若者が多く引っ越してくる
・ 結婚しても、夫婦二人であればそのまま区内に住んだり、杉並に引っ越してきたりもする
・ 子どもが生まれて広めの住居スペースが必要になると、区外へ引っ越してしまう

といえるのではないかと思います。

これは、身の回りの実感ともある程度一致するのではないでしょうか。

ただ、私自身これほどまでに年齢別の人口差があるとは思っていませんでした(28歳人口は、16歳人口の3.32倍)。

参考までに、今回の分析のために作成した資料(わかりやすくグラフ化もしてあります)も添付しておきます。
http://homepage3.nifty.com/ikuma/toshibetsujinkou.pdf

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●書籍紹介: 『「インテリジェンス」を一匙』 大森義夫著 選択エージェンシー ●
●  値段:1,429円(税別) 発行日:2004年4月29日            ●
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雑誌『選択』に掲載されていた連載をまとめた書籍です。
著者は元内閣情報調査室長もされていた警察官僚の方です。

政治の仕事も「いかに”情報”を政策という判断のために収集するか、そして広報として発信するか」が重要なので、改めて興味をもって読みました。

ちなみに、「改めて」というのは、『選択』連載時も読んでいたから、です。

今回は、記憶に残った文章を書き連ねます。

・「毒があるから解毒作用が起きる。両作用の拮抗で生命体は活力を保つ。(中略)戦後のわが国は子どもの世界からも大人の世界からも「毒」を除きすぎたために、のっぺりとした虚弱な体質になってしまったのではないか。」

今の日本、特に子育てにおいて、振り返るべき視点だと思います。

・「学校教育には限界がある。神は現場に宿る。」

学校教育に限らず、仕事も同じだと思います。ただし、「現場からの発想」だけでも不十分だと思っています。

・「官僚でも一流の人ほど官僚的でない。若くして権限と地位を持ち、発想も柔らかい。現状維持(守旧)どころか、改革を唱える。ただし、この人たちの問題点は改革という名前で思いつきとか、自己陶酔とかが混じること。」

後段(「ただし、」以下)は、議員としてよくよく気をつけねばならないと思います。おそらく行政マンが政治家に対して最も「やめてほしい」ことが、これではないでしょうか。

・「”静かな愛国心”という言葉がいい。騒々しい愛国心にはうんざりしている。」

警察官僚出身者の言葉と考えると、なかなか感慨深いものがあります。愛国心でも反愛国心(?)でも、私は著者の言葉が気に入りました。

・「動き続けていなければ時代を見失う。」

まさにその通りだと思います。

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●セミナー参加レポート:日経プラス1フォーラム                       ●
● 「子どものコミュニケーション能力の育成 〜私たち親が子どもに出来ること〜」  ●
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5月25日(木)、日本経済新聞社主催の上記フォーラムを聴講しました。

タイトルは「子ども」と銘打ってありますが、基本的に「幼児教育」に特化した内容です。

第1部は「セサミストリートがめざす幼児教育」というタイトルで、セサミワークショップのバイスプレジデントの方の基調講演、第2部が「豊かな心と社会性の育成 〜私たちが子どもたちにできること」をテーマにパネリスト3名、コーディネーター1名のパネル討論でした。

<セサミストリートパートナーズジャパンのHP>
http://www.sesame-street.jp/

パネリストの3名は、
・ 洗足学園大学附属幼稚園の園長(男性)
http://www.senzoku.ac.jp/youchien/index_1.html
・ 風の谷幼稚園の園長(女性)
http://www.kazenotani.net/
・ タレントのRIKACOさん
http://www.rikaco.co.jp/
コーディネーターは、フューチャーインスティテュート(株)社長の鶴谷さんでした。
http://www.futurekids.co.jp/

二人の園長の「幼児教育に臨む姿勢」が結構対照的だったため、この手のパネル討論にしては珍しく(?)、意見が割れているように聞こえる部分もありました。

このお二人の姿勢を一言で表すとすれば、(A)「子どもは"育つ"もの」と考えるか、(B)「子どもは"育てる"もの」と考えるかの違いだと思います。

(A)「子どもは"育つ"もの」という考え方のもとでは、「子どもには年齢相応の判断力がある」と考え、「自分で考え、気づくのを待つ」ことを重視していました。つまり、「大人にも"待つ"忍耐力が必要」というわけです。

一方(B)「子どもは"育てる"もの」という考え方のもとでは、「子どもの学ぶ力を積極的に引き出すために、良い(あるべき)行動を率先して教える」ことを重視していました。

具体的な園の運営をきいていると、(A)の場合は「幼児の場合は"個性を尊重する"どころか、あまりに千差万別のため"個性を尊重せざるを得ない"。だから、状況に応じて柔軟に対応している」となります。

一方(B)の場合は、「1つ1つの行動/教育全てに意味がある。だから、きちんとカリキュラム化して対応している」となります。

私自身の考えがどちらに近いかと言えば、(A)ですね。

なお、話をきいていながら、私自身が母校(高校)へ教育実習に行っていた時のことを思い出しました。蛇足ながらちょっと寄り道を。

教育実習にあたっては、「今日は教科書のこのページからこのページまでを教える」といったことは指定されますが、どのように授業を行うかは各実習生にまかされていました。

真面目な実習生(友人)は、穴埋め式の独自プリントを作成し、それに沿って授業を進めていました。

私の場合は、(もちろん事前に色々と調べたりしましたが)「最初の5分は新聞を使ってネタふり、次の20分で〇〇について教えて、残りの20分で△△を教える。残りの5分は予備」というような、よくいえば柔軟な、悪くいえば(実習生らしからぬ)大雑把な姿勢で授業にのぞんでいました。

結果としてどちらが良かったのかは生徒の判断ですが、穴埋め式プリントを使った場合、予定通りに回答がかえってこなかったりして進行ペースが遅れると、時間内に終わらせるために結構苦労しているようでした。

ただ、テストのことを考えると穴埋め式プリントの方が明らかに親切ですね。私の場合は、思い付きのように単語を板書して、それらを記号(矢印等)でつないで「はい、おしまい」でしたから。

話を戻しまして、このパネル討論で印象に残っている言葉をいくつか紹介します(聞き取りしたままの表現ですので、ご了解ください)。

・ 「(子育てに熱心な)日本の母親は、子どもに対してまるで一流クラブのママさんのようだ」

子どもに対して気が回りすぎることをさして言われた言葉ですが、思わず笑いが出ました。

・ 「親が子どもにできること・・・子どもが"自分のためだけに時間を割いてくれた"と思える状況を、つくることです」

子どもが親に「愛されている」と一番実感できるのは、確かにこうした状況だと思います。例え忙しくともこの言葉を忘れず、また「子ども達」ではなく「"この子"と"この子"」というように、それぞれ1対1で向かい合う時間をつくろう、と改めて思いました。

今回のお二人の園長のように、子育てに関する持論は百人百様だと思います。「これが一番良い方法だ」というものはないと思いますが、区議としては、それぞれの親が「こんな育て方もある」ということを色々と知って、そのうえで「自分はこうしよう」と考えられる状況を作っていきたいと思います。

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●雑感●
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メールマガジン第14号、いかがでしたでしょうか。
今回はセミナー参加レポートを中心におきました。今後も「報告書」がわりに当メールマガジンでご報告していきたいと思います。

さて、区議会第二回定例会が、6月19日(月)に開会いたします。
私の出番(発言)予定は、下記の通りです。

・6月20日(火)午前中:一般質問(今回は、(1)NHKグラウンドと民設公園について(2)今年・来年の特徴的な新規施策について@すぎなみ地域大学A杉並師範館B杉並子育て応援券C市場化提案制度 について質問予定です)
・6月27日(火):総務財政委員会
・6月28日(水):道路交通対策特別委員会
・6月30日(金):議案の採決(←今のところ、発言の予定はありません)

また、前号で少しお知らせしましたが、私が所属する委員会で審議される議案について、HP上で皆様に概略をご説明し、疑問点やご意見をいただくようにいたしました。
新たな取組みですので正直試行錯誤の段階ですが、よろしければこちらをご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/ikuma/sub11.htm


岩田いくま

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