メールマガジン第9号(平成18年1月)
◇目次

今月の数字: 16,383頭
杉並区発行資料:『動物との共生を考える懇談会報告』
書籍紹介:『職業としての政治』
セミナー参加レポート: 自治体議会政策学会
雑感

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●今月の数字: 16,383頭・・・杉並区内の畜犬登録数 ●
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戌年だから、というわけではありませんが、区内のペットの状況を少し紹介したいと思います。

上記は平成15年度における杉並区の畜犬登録数ですが、皆さんは多いと感じるでしょうか、少ないと感じるでしょうか。

人口当たりの頭数では、23区内で2番目に多くなっています(1番は世田谷区)。

また、ここ数年は毎年3〜5%ずつ増加しています。

なお、上記数字は登録犬だけであり、未登録犬の推定頭数もあわせると、倍近い32,000頭となります。
*犬は狂犬病予防のため、区市町村に登録しなければなりません。

ちなみに、猫は飼い猫と野良猫をあわせ、約34,000頭と推計されています。

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●杉並区発行資料:『動物との共生を考える懇談会報告』 ●
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杉並区では昨年5月から「杉並区動物との共生を考える懇談会」を立ち上げ、構想づくりを進めていました。

12月に出された報告が、この資料になります。

概要版
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/kyosei_hokoku_g.pdf

全編
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/kyosei_hokoku.pdf

委員に「みなみらんぼう」さんが入っており、大手新聞のコラムで取り上げたりもしていたので、ご存知の方もおられるかと思います。

こうしたことを集中して検討する主な理由は、皆さんご想像のとおり、

・ 犬の糞尿への苦情
・ 無責任な野良猫への餌付け(による野良猫の増加)

を中心とした、苦情の多さです。

参考ながら、平成16年度に区に寄せられた動物に関する苦情・要望・相談数は1,071件にのぼります。

私自身にも、上記2つについては相談がありました。

苦情に基づくもの以外でも、

・ ドッグラン(犬が自由に運動等ができる施設)の設置要望
・ 震災時における動物救護対策

等も、検討対象となっています。

今回の報告で目を引く内容としては、

・ 長期的な課題として、犬の糞放置に対しての罰則適用も検討する必要がある
・ 猫にも犬同様に登録制の導入を検討する必要がある
・ ペット新税について調査・研究することを提言する

といったあたりでしょうか。

ペットの飼育に関しては、「所有者のマナー」に委ねられているのが現状ですが、残念ながらこの問題に限らず、「マナーやモラルに頼る」だけでは、現代の匿名化した社会では解決しない問題が増えてしまっています。

ルールの整備を図る一方で、「お互い顔の見える社会」をどう再構築していくか、「他人の立場に立って考えることができる人間」にどう育てていくか、をしっかり考えていきたいと思います。

なお、参考までに、

・動物との共生に関する区民意識調査の結果
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/kmnchosayk_37.pdf

・動物に関する区の事務
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/guide/guide.asp?n1=80&n2=1100

を掲載しておきます。興味のある方は参考にしていただければと思います。

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●書籍紹介:『職業としての政治』 マックス・ヴェーバー著 岩波文庫 値段:310円(税込)●
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いわずとしれた古典ですが、ほんの少しだけ解説しますと、1919年1月(つまり、第一次世界大戦の敗戦後)にミュンヘンで学生向けに行った講演をまとめたものです。

有名な内容としては、

・ 政治の本質的属性は権力である
・ 国家とは、ある一定の領域の内部で、正当な"物理的暴力行使の独占"を要求する人間共同体である
・ 支配の3類型・・・伝統的支配、カリスマ的支配、合法性による支配(→官僚制)

といったところでしょうか。

個人的に気になった指摘としては、

・ 「同じく政治を職業とするといっても、二つの道がある。政治"のために"生きるか、それとも政治"によって"生きるか、そのどちらかである」

これは、次の「セミナー参加レポート」とも関連しますが、政治家(議員)という職を「名誉職」とするか、「専業職(専門職)」とするかにもかかわってきます。

よく「政治屋」という言葉が使われるように、政治"によって"生きることのみが目的となってしまってはもちろん論外ですが、私自身は政治家は"プロフェッショナル"であるべきだと考えています。

そうすると、政治"のために"生きても、その糧は政治"によって"得ていることになるので、両者の要素を備えることになります(このことはヴェーバーも指摘しています)。

いずれにしろ、議員が「(いい意味で)プロフェッショナル」になっていないのが、数多くの批判が出る根源なのではないでしょうか。

・ 「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である」
「情熱は、それが「仕事」への奉仕として、"責任性"と結びつき、この仕事に対する責任性が行為の決定的な基準となった時に、はじめて政治家を作り出す」

全くもって、同感のところです。以前のメールマガジンにも書いたと思いますが、
¢ 夢(あるべき姿)の提示
¢ 実現に向けての行動
の二つが揃ってはじめて「責任ある態度」だと私は思っています。

したがって、「どのような社会にしたいのか」がない人は論外ですが、「口だけで、実現のために自ら汗をかかない」人も私はあまり一緒に行動したくありません。

もっとも、これは政治に限らずどんな仕事にもいえますね。

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●セミナー参加レポート: 自治体議会政策学会●
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さる1月14日(土)、剛堂会館(麹町)で行われたセミナー「議会を元気にする講座」に参加しました。

「議会・住民・行政の協働」をテーマに、山梨学院大教授の江藤俊昭さんが講師です。

当日は、関東近県だけでなく、わかる範囲でも宝塚、四日市、松阪、松本といったところから参加している人もいました。

内容を一言で言えば、「今後の地方議会のあり方」になりますが、もう少し踏み込めば、

「執行機関(行政)が住民との直接的接触を強めるなか、住民代表である議会(議員)はどうあるべきか」

ということだと思います。

実際、当区においても「区民意見提出手続き」で、重要案件に対し区民が直接意見を言える仕組みを制度化しましたし、また毎年夏には区長が各区民センターに出向いて、「語る会」を開催しています。

また、ITの発展もあり、行政情報の発信は随時HPでひろく提供されるようになりました。

このような状況にもかかわらず、議会では「区民に公表する前に議会に言わないのはおかしい」という議論が未だ存在する悲しい状況です。
要するに、「情報の独占」が未だ存在価値だということなのでしょうか。

江藤教授の提案は、
・ 執行機関への監視機能を強めること
・ 議会自身(議員個人が、ではありません)が住民との協働関係を強めること
でした。そして、そのための議員の能力として必要なのは

「住民からの個別の提案を、普遍性のある提案へと高める調整力」

とのことでした。

表現は別として、私自身議員のポジションの特徴は「住民と行政の中間」だと感じています。なにしろ、区民要望(陳情も含みます)を受け、かつ行政の情報も把握できる立場です。

したがって、議員の役割とは「住民(自分自身を含みます)からあがってくる意見(のなかで賛同できるもの)を、行政知識やその他の知識を統合して、いかに制度として構築できるか」だと考えています。

今回のセミナーでは、特に目新しい情報や考え方が提示された、とは思いませんが、考え方を整理するには効果的だったと思っています。

次回は4月に2日間の日程で名古屋であるようです。平日のため、参加できるかどうかわかりませんが、学識経験者や他の自治体議員と意見交換もできるので(今回も、2時間半のセミナーのあと、場所を移して懇親会がありました)、参加できれば、と思っています。

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●雑感●
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今更ながら、明けましておめでとうございます。
今年もメールマガジンにお付き合いいただければ幸いです。
さて、メールマガジン第9号、いかがでしたでしょうか。今回はHP紹介に変えて、セミナー参加レポートを掲載しました。ときどきによって、お届けする内容も変えながら、皆様にお伝えしたいことを書いていきたいと思っています。

今年の第一回定例会は、前号でお伝えしたとおり、2月20日開会の予定です。
開会直前に次号第10号をお届けする予定でおりますので、今後も読んでいただければと思います。

また、年が変わった節目で、HPを整理しました。「しばらく見ていないな〜」という方は、お時間のあるときに覗いていただければ幸いです。

http://homepage3.nifty.com/ikuma/

大変寒い日が続いておりますが、寒さに負けず今年一年も皆様にとって良いお年となりますよう祈念しております。

岩田いくま

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