メールマガジン第133号(平成28年5月)

◇◇◇目次◇◇◇

●杉並区公表資料:待機児童解消緊急対策
●書籍紹介:『子育てのパラドックス』
●雑感

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● 杉並区公表資料:待機児童解消緊急対策 ●
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杉並区では、平成28年4月1日現在の保育園待機児童数が136名になったことを受け(前年度は42名)、4月に「すぎなみ保育緊急事態宣言」を発しました。

http://www.city.suginami.tokyo.jp/hoikukinkyu/index.html

5月1日号の『広報すぎなみ』にも1面で掲載され、また、チラシの全戸配布まで行ったとのことなので、目にされた方も多いかと思います。

内容面では疑問を感じるところもありますが(認証保育所等いわゆる「認可外保育施設」も含めた「保育施設」の整備率ではなく、「認可保育所整備率」だけを取り上げていること等)、待機児童解消を目指すことについては、私も異議がありません。

しかし、この「宣言」を受けてゴールデンウィーク明けに示された、「待機児童解消緊急対策」については、かなり疑問を感じています。

<資料1>
http://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/023/168/280513_taikijidokisyakaiken_1.pdf

<資料2>
http://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/023/168/280513_taikijidokisyakaiken_2.pdf

<資料3>
http://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/023/168/280513_taikijidokisyakaiken_3.pdf

詳細は資料を見ていただければと思いますが、子供のための施設(保育園)をつくるために、他の子供の居場所(地域の公園)をなくすとは。。。

他自治体で取組まれているように、大きな公園の一画を使って保育園を整備することには異論はありません。

また、公園の利用実態をしっかり調査したうえで、残念ながらあまり使われていないということであれば、(本来は公園の魅力を高めることが筋だとは思いますが)保育園に転用することもひとつの施策だと思います。

しかし、今回の案には、日頃から多くの人(特に子供)が利用している“まちなかの公園”も、対象に含まれています。

当案件に対する議会審議が、17日~18日の平成28年杉並区議会第1回臨時会で行われますので、私自身の見解にはこれ以上踏み込みませんが、皆様のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

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● 書籍紹介:『子育てのパラドックス』 ジェニファー・シニア著 ●
●  ¥1,800 英治出版 2015年12月25日発行      ●
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当書籍のサブタイトルは、“「親になること」は人生をどう変えるのか”。

各章のタイトル及びサブタイトルが、本書の内容(視点)を端的に表していると思いますので、以下紹介しますと、

・第1章・・・自由 ~子供ができると失うものは?~
・第2章・・・結婚生活 ~「カップル」から「親」に変わるとき~
・第3章・・・シンプルな贈り物 ~子供がいるからこそできること~
・第4章・・・集団活動育児 ~子供の「予定」に翻弄される親たち~
・第5章・・・思春期 ~悩むのは「子」より「親」?~
・第6章・・・喜び ~「子育て」の経験が与えてくれるもの~

となります。

私自身も、自分の過去を思い返しながら、読み進めておりました(第5章に相当するのは、まだこれからですが)。

親として、また夫して反省するところはありますね。。。

また、自身が子供の頃との大きな違いとして、ICTの進展(携帯電話やスマホといった「外部とつながる手段」を、子供が個人として所有していること)があげられますが、こうしたことについても第5章でとりあげられております。

いずれにしろ、「親になること」の影響は人それぞれだと思いますが、私は「ともに過ごす喜び」ではないかと感じます。

結婚の有無、また、子供の有無は人それぞれの選択ですが(望んでも恵まれないこともあります)、家族の形態にかかわらず、「子供」及び「子育て中の親」に対して社会として何をすべきか(及び、すべきでないか)については、地域の一員として、そして身近な政治・行政に携わる立場として、これからも考えていきたいと思います。

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● 雑感 ●
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明後日17日(火)~18日(水)にかけて、平成28年杉並区議会第1回臨時会が開催されます。

http://www.city.suginami.tokyo.jp/kugikai/ugoki/nittei/1017290/1023500.html

例年この時期は、委員会委員の改選がありますので、1日限りの臨時会が開催されますが、今回は急遽補正予算が提案されたため、その審議のため、計2日の日程となっております。

今回ご紹介した「待機児童解消緊急対策」について、補正予算が付託される総務財政委員会の委員は質疑を行うことができますが、臨時議会であるため、どの議員でも区政一般に対して質問することが可能な「一般質問」を行うことはできません。

区政の課題に迅速に対応するのは大切なことですが、現在の杉並区議会の制度上の難点が露わになったとも言えようかと思います。

それにしても、月末の5月30日(月)には区議会第2回定例会が始まるというのに(こちらは定例議会ですので、一般質問を行うことができます)、あえて臨時議会で行うというのは、率直に言って、私は強引さを感じます(近隣住民向け説明会も、臨時議会が終わった18日夕方から順次行われます)。

こうした行政運営にどう向き合っていくのかも、一人ひとりの議員に問われているのだと思います。

岩田いくま
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