◇◇◇目次◇◇◇
●今月の数字:25%
●杉並区公表資料:杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針(案)
●書籍紹介:『池上彰のやさしい経済学(1・2)』
●雑感
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● 今月の数字:25%・・・ ●
● 中学校入学における、指定中学校以外への進学希望者割合 ●
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杉並区では、平成14年度から「学校希望制度(住所に基づく指定校以外に、隣接する学区の学校に進学を希望することが出来る制度)」を実施してきました。
制度開始時の平成14年度においては、中学校入学時に当制度を利用して「隣接校への進学を希望」した児童の割合は約15%でしたが、来春(平成26年4月)進学予定の児童では、この割合は25%となっています。
参考ながら、小学校入学時にもこの制度は利用できますが、来春小学校へ入学予定の子供で隣接校への進学を希望している割合は、16%となっています。
杉並区では、来年度の受付(平成27年度新入学)をもって、この「学校希望制度」を廃止する、としていますが、これだけ利用されている制度を廃止して、子供及び保護者の“選択の自由”を奪うことが本当によいことなのか、私自身は大いに疑問が残ります。
なお、学校別(学区別)の、学校希望制度申請状況は、下記になります。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/gk_kibo24_26.pdf
これを見ていただければ、そもそも学区毎の対象児童・生徒数(住民基本台帳人口)に相当ばらつきがある、という問題点も見えてくるのではないかと思います。
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● 杉並区公表資料: ●
● 杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針(案) ●
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杉並区においても、小中学校の児童・生徒数は、昭和50年代のピーク時(まさに私が小中学生だった頃ですね)にくらべ、半分以下になっています。
そうしたなかで、学校適正配置(統廃合)を含め、今後の区立小中学校をどうしていくか、という方向性を定めるのが、この「杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針(案)」になります。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/public_siryo_h2512.pdf
大きなテーマとして、
@ 学校適正規模の確保
A 学校施設の老朽改築
B 小中一貫教育の推進
が示されており、いずれも必要なことであろうと思います。
しかしながら、
(T)現在進めている小中一貫教育の推進方法(中学校1:小学校nの組み合わせ)
(U)現在の学区割り(小学校と中学校の学区が一致していない。つまり、ひとつの小学校の卒業生が、複数の中学校に進学する)
(V)「学校希望制度の廃止」や「指定校変更制度(*1)」
(*1)転居や通学時の安全確保、いじめ等学校生活の事情により、指定された学校以外の学校へ進学や転校する制度(教育委員会による認定・承諾が必要)。学校希望制度廃止に伴い、認定・承諾事由に、「学校の特色ある教育活動等に参加を志望する場合(ただし、隣接校のみ。また、志望理由を具体的に記すことが必要)」が追加になります。
を組み合わせると、「あれっ。おかしいのでは?」と思うことが出てきています。
具体的には、中学に進学する際に、「小中一貫教育で連携している中学校に、“小中一貫教育校だから”という理由だけでは指定校変更できない」「小中一貫教育で連携している中学校が、地域によってはそもそも指定中学校の隣接校でないため、指定校変更の申請すらできないことがある」といったことです。
この点については11月の文教委員会で指摘し、以下2点について再考を求めました。
(1)中学進学時の指定校変更認定・承諾事由に小中一貫教育校であることを入れるか、もしくは小中一貫教育を中学校1:小学校nではなく、m:n(つまり、小学校からみれば、学区が重なるすべての中学校と連携している、小学生から見れば、どの子も指定校である中学校と連携している)にすべき
(2)地域によっては、現状の学校希望制度においても、また、新たな指定校変更認定・承諾事由においても、小中一貫教育をしている中学校に進学できないところがある。こういった地域は、学区を見直すのが歴史的経緯等から難しいのであれば、指定校変更認定・承諾事由を見直すべき(例:小中一貫教育で連携している中学校へ進学を希望する場合は、指定校の隣接校でなくともよい)
どの程度改善されるかは今後の教育委員会の動きを見守るしかありませんが、せっかく小中一貫教育を行うのであれば(このこと自体は良いことだと私は思っております)、他の制度を適切に変更する等、整合性のとれたものにしなければならないと思います。
なお、この「杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針(案)」については、現在、区民等の意見提出手続きに付されています。
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/guide/guide.asp?n1=110&n2=411&n3=150
お気づきの点等あれば、皆様のご意見を区までお寄せいただければと思います。
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● 書籍紹介:『池上彰のやさしい経済学(1・2)』 池上彰著 ●
● 日経ビジネス人文庫 各600円 2013年11月1日発行 ●
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この本は、池上彰さんが京都造形芸術大学にて客員教授として行った授業がもとになっています。
いまさらながら、この方の説明はわかりやすいですね。
経済学を学ばれた方にとっては、「何をいまさら」といった内容かと思いますが、大学生(ないし、高校生)にとっては、良い“教材”ではないかと思います。
皆様へのご紹介というよりも、「身近に大学生や高校生がおられれば、お薦めできる本」ということで今回紹介させていただきました。
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● 雑感 ●
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今回は、(書籍紹介を除いて)学校教育に特化してご紹介させていただきました。
身近に学校とかかわっておられない方にとっては、あまりピンとこない内容だったかと思います。申し訳ありません。
さて、平成25年第4回杉並区議会定例会も今月6日(金)に閉会しました。
所属する災害対策特別委員会の視察がまだ年内に予定されていますが、今年の議会活動はひと段落となり、現在は年明けの「区政報告第41号」の発送に向け、準備をしています。
今年も残り半月となりました。
年の瀬の慌ただしい時期ですが、皆様くれぐれもお身体ご自愛いただき、良いお年をお迎えください。
岩田いくま
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