メールマガジン第50号(平成21年6月)

◇◇◇目次◇◇◇

今月の数字:5,012世帯
杉並区公表資料:区政への主な意見と回答
書籍紹介:『現代の貧困』『子どもの貧困』
HP紹介:深海ワンダー
雑感

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● 今月の数字:5、012世帯・・・              ●
●    生活保護を受けている世帯数(平成21年3月) ●
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「貧困」をめぐる議論が、年末年始の「年越し派遣村」も含め、頻繁にかわさ
れるようになっています。

何をもって「貧困」とするのかは、《書籍紹介》欄で見ていきますが、ここで
はひとつの象徴である"生活保護"に関する数字をみていきたいと思います。

まず、生活保護を受けている杉並区内の世帯数は、平成21年3月で5、012
世帯。3月1日段階での住民基本台帳登録された区内世帯数は290、978世帯
ですので、1.7%に相当します。

なお、人数でみると5,928人であり、区内人口526,073人における
割合は1.1%となります。

ちなみに、標準3人世帯(父:33歳、母:29歳、子:4歳)の生活保護基準額は、
平成21年4月1日現在で234、980円となっています。

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● 杉並区公表資料:区政への主な意見と回答 ●
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杉並区では、区民の皆様からのご意見を、ホームページからも募集しています


http://www2.city.suginami.tokyo.jp/post/post.asp

いただいたご意見には、概ね3日以内に1次回答をするようにもしています。

そして、この4月から、どのようなご意見が寄せられ、それに対して区がどの
ような回答をしたのかについても、閲覧できるようになりました。

例えば、平成21年3月にいただいたご意見をまとめたものは、下記になります。

http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/ikenkaitou_h2103.pdf

非常に生活に密着したご意見が寄せられていることが、一目瞭然ですね。

この時期は保育園待機児の問題が区政の大きな課題となっていたことに対応し、
保育園に関するご意見が多くなっています。

また、上井草スポーツセンターのサッカースクールについては、予算委員会で
も話題となっていました。

議員として、こうしたところからも情報収集をしていきたいと思います。

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● 書籍紹介:                      ●
● 『現代の貧困』 著者:岩田正美 ちくま新書 ●
●    ¥700 2007年5月10日         ●
● 『子どもの貧困』 著者:阿部彩 岩波新書  ●
●   ¥780 2008年11月20日          ●
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《今月の数字》欄で取り上げた通り、また前号のメールマガジンで申し上げた
とおり、「貧困」をめぐる書籍で最近読んだものをとりあげたいと思います。

『現代の貧困』は、2年前に書かれた書籍ですが、外国での研究成果も含めた
「貧困」の考え方の歴史的経緯や、現在の福祉制度の問題点が指摘されており、
包括的に貧困問題を理解するうえで入門書のような役割を果たすと思います。

現在の制度の問題点として、「日本の社会保障制度における、保険主義」
(P.190)をあげているのは、社会構造・就業構造の変化を考えたとき、考えさ
せられるものがありました。

『子どもの貧困』は、貧困問題のうち"子供"に焦点をあてて書かれた書籍であ
り、貧困の連鎖を断ち切ることの重要性について、改めて考えさせられます。

なかでも、「日本は唯一、再分配後所得の貧困率の方が、再分配前所得の貧困
率より高い」(P.96)との指摘は、今の制度の問題点を考えるうえでしっかりと
認識する必要があると思います。

なお、これらの書籍でいう「貧困」とは、わかりやすくいえば、

「人を所得順に並べて、多い方から数えても少ない方から数えても、ちょうど
順番が真ん中にあたる人の所得の、半分の値以下の所得」

です。

そして、生活保護基準がほぼその数値にあたるとのことです。

なお、上記書籍の他にも、

『生活保護vsワーキングプア』(大山典宏著 PHP新書)は、トータルコスト
の視点から見た対策が示されており、有意義な書籍でした。

ちなみに、トータルコストの視点で福祉施策を考える必要性は、『アンデルセン、
福祉を語る』(G・エスピン-アンデルセン著 NTT出版)でも保育施策を例として、
試算も交えて述べられています。

また、『ワーキングプア 〜解決への道』(NHKスペシャル取材班編 ポプラ社)
も、今後日本がとるべき施策を考えるうえで、参考になると思います。

いずれにしろ、「国家が貧困対策に乗り出す大きな理由の1つは、社会統合機
能や連帯の確保」(『現代の貧困』P.207)であり、各人が(状況に応じた)
自立に向かって歩みを進めることができる、そして、適切な努力が報われるよ
うな社会制度をどう構築していくか、政治に携わる一人として今後も考えてい
きたいと思います。

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●HP紹介:深海ワンダー ●
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文部科学省のホームページのなかに、開設1ヶ月で17万件のアクセスを記録
したサイトがあります。

それが、下記「深海ワンダー」。

http://www.mext.go.jp/wonder/

潜水艦にのって、深海を探検するゲームですが、深海魚を探して写真に撮る等
、なかなか凝ったつくりになっています。

私もやってみましたが、結構面白いですね。

子供の好奇心をくすぐるには、非常に良いサイトだと思います。

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●雑感●
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メールマガジン第50号、いかがだったでしょうか。

毎月1回発行しているこのメールマガジンも、早いもので50号を数えるに至
りました。

改めて、読んでいただいている皆様に、感謝申し上げます。

現在は平成21年区議会第2回定例会が開催されている最中です(19日まで)。

これから暑くなってまいりますので、皆様くれぐれもお身体ご自愛ください。

岩田いくま

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