メールマガジン第22号(平成19年2月)
◇目次

今月の数字:1,163万円
杉並区公表資料:『平成19年度 当初予算(案)の事業概要』
書籍紹介: 『ウェブ進化論』他2冊
HP紹介:グーグルマップ
雑感

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●今月の数字:1,163万円・・・学校給食民間委託に伴う1校あたりのコスト削減額●
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平成13年から始めた学校給食の民間委託ですが、来年度から実施する5校を含めると、累計で32校になります(ちなみに、区内の小中学校数は67校)。

民間委託に伴うコスト削減額(平均調理職員人件費−委託経費)は、1校あたりで1,163万円、32校だと3億7,216万円になります。

なお、学校給食民間委託に関しては、コスト削減効果だけでなく、サービス向上効果もあります。

以前「書籍紹介」でとりあげた『前人木を植え、後人涼を楽しむ』から引用すると、

「例えば、給食にカレーライスとサラダとデザートが出たとしよう。
旧来の区の直営方式では、食器は皿が二枚とスプーンだけしか出されなかった。
しかし民間委託方式の学校は、皿はおかずなどの数に合わせ、当然スプーンだけでなくフォークも出される。
なぜか。
前者は公務労働なので、労働強化につながる食器数変更には組合との交渉が必要になるのだ。」

ふり返れば、この学校給食の民間委託に対しては、政治運動化して住民訴訟まで提起されていました。一部で喧伝されている"政治運動"の一端を垣間見ることができる、端的な例だと思います。

さて、この学校給食民間委託の今後を展望すると、全国的な拡がりに伴い「事業者の確保」という新しい問題がでてきます。

この問題を解決するには、新しいビジネスモデルを提示して、魅力を高めるのが有用だと考えています。

こうした視点から、昨年11月の一般質問では、「学校給食を利用した配食サービス」といった提案も行いました。

杉並発の有効な仕組みを新たに作っていきたいと思っています。

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● 杉並区公表資料:『平成19年度 当初予算(案)の事業概要』 ●
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来年度予算(案)の区長記者会見が、今月5日に行われました。
そこで利用された資料が下記です。

http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/190205kuchoukishakaikennsiryou.pdf

来年度予算(案)の特徴としては、
@ 財政健全化のため、借金の繰上げ返済を行う
A 子育て支援策の充実として、「子育て応援券」の開始や義務教育就学児医療費助成を行う
B 師範館卒業生を区独自教員として採用する
といったあたりがあげられると思います。

あくまで当資料には特徴的な施策しか取り上げられていませんが、「杉並区が来年度はどういったことに力をいれようとしているのか」を把握するにはわかりやすい資料だと思います。

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● 書籍紹介:                                                    ●
●¢ 『ウェブ進化論』 梅田望夫著 ちくま新書 値段:740円(税別) 発行:2006年2月10日 ●
●¢ 『グーグル』 佐々木俊尚著 文春新書 値段:760円(税別) 発行:2006年4月20日   ●
●¢ 『文系のための「Web2.0」入門』 小川浩著 青春新書 値段:750円(税別)        ●
●   発行:2006年8月15日                                         ●
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 IT(情報技術)の発展に伴い、昨年あたりから「Web2.0」という言葉が巷でよく聞かれます。
 よく売れた書籍を中心に、3冊まとめ読みをしましたが、個人的にもっともわかりやすかった(かつ、示唆にとんでいた)のは、梅田望夫さんの『ウェブ進化論』ですね。

 そもそも「Web2.0」とは何か、ですが、『文系のための「Web2.0」入門』では、

「これまでのウェブは情報の「受信」とそれを支える「検索」という機能だけが進化してきたことに対して、Web2.0と呼ばれる現在のウェブでは情報の「発信」と「共有」という新しい要素が進化してきている」

としています。

また、インターネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」では、

「2000年代中頃以降における、ウェブの新しい利用法を説明する概念である」

としています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Web_2.0

もっとも、『ウェブ進化論』で述べられている、

「インターネットのこちら側(パソコンや携帯電話等、一人一人が持つ端末)から、あちら側(インターネット空間に浮かぶ巨大な情報発電所)へ」

といった表現のほうが、感覚的にわかりやすいような気がします。

これが、"こちら側"の代表企業であったマイクロソフト社から、"あちら側"の代表企業であるグーグル社への覇権の移動にもつながってきている、ということですね。

いずれにしろ、ブログ開設者の急増にみられるように、「誰でも情報発信ができる」ようになり、結果「必要な情報をわかりやすくインターネット上で取り出す検索機能」が重視されるようになった、ということだと思います。

確かに、今ではインターネット上で情報を探すとき、まず「キーワードで検索」を行いますね。

一方で、それだけ膨大な情報が、検索エンジンを運用する会社に握られているわけであり、『グーグル』で述べられているように、

「グーグルが人間の過去の行動や要求などをすべてデータベース化していこうというのは、決して夢物語ではない。(中略)新しいタイプの監視社会の幕開けとなるかもしれない。」

という指摘は、十分に頭に入れておかねばならないと思います。

さて、『ウェブ進化論』では、興味を引く指摘がいくつかありました。以下、列挙しておきたいと思います。

「グーグルの企業文化・・・優秀な人間が、泥仕事を厭わず、自分で手を動かす」

まさに、仕事を行ううえで忘れてはならないスタンスだと思います。

「モチベーションの高いメンバーだけで構成される小さな組織で、すべての情報が共有されると、ものすごいスピードで物事が進み、それが大きなパワーを生む。仕事の生産性が著しく向上する。」

これから必要なワークスタイルだと思います。

「日本という国は、"いったん属した組織を一度も辞めたことのない人達"ばかりの発想で支配されている国」

これは、「なるほど」と思いました。

「モノが見えている分だけ、新しいこと、未経験なことについて、ネガティブに判断するようになってはいないだろうか。これを「老い」というのではないのか。」

30代の私にとっても、気をつけねばならない視点だと思います。

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●HP紹介:グーグルマップ●
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地図情報のサービスは多数ありますが、今回は「書籍紹介」との関連もあり、グーグルの地図情報サービスをとりあげます。

http://maps.google.co.jp/maps

操作性が良いこと等、いくつか特徴がありますが、何といっても一番の特徴は、航空写真でしょう。

これを見ると、便利さを感じる反面、正直なところ、自分の生活を全て見られているような、恐ろしさも感じます。

技術の進歩どう活用していくか、今まで以上に考える必要があるように思います。

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●雑感●
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メールマガジン第22号、いかがでしたでしょうか。
今回は、学校給食調理業務をとりあげて、改めて「民間活力活用」の実績をふり返りました。
「何でも民間にまかせればよい」というものではありませんが、「何を行政が担うべきか」は常時検証していく必要があると思います。

さて、今期最後の区政報告書をHPにUpしました。

http://homepage3.nifty.com/ikuma/200702.pdf

また、これまでの議会での発言記録をまとめたページも開設いたしました。

http://homepage3.nifty.com/ikuma/Hatsugenshu.htm

こちらもご覧いただければ幸いです。

2月20日から平成19年第1回区議会定例会(今期最後の定例会)が開会します(3月12日まで)。
気を引き締めて、取り組んでいきたいと思います。

岩田いくま

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