子育て応援特別手当(2/27)

昨日に引き続き、補正予算の話題を。

世間では定額給付金ばかりが話題となっておりますが、それ以上に「???」と思う国の施策があります。

それが、本日とりあげる「子育て応援特別手当」(杉並区では、約1億6千万円)。

内容は、

「平成20年度において小学校就学前3年間に属する子、すなわち、平成14年4月2日から平成17年4月1日までの間の生まれであって、第2子以降である児童について、一人当たり3万6千円を支給する」

というものです。

ちなみに、定額給付金同様所得制限はなく、かつ「生活対策としての平成20年度緊急措置」であるため、単年度(今回限り)の施策です。

わかりにくいので、子供が3人いる家庭を具体例として考えると、

@8歳(小学3年生)、5歳(幼稚園年長)、3歳(幼稚園年少)の子供がいる家庭は、7万2千円を支給
A5歳(幼稚園年長)、2歳(来年幼稚園入園)、0歳の子供がいる家庭は、支給なし

となります。

@とAの家庭で、子育てにかかる費用負担はそんなに違うものでしょうか?

また、上記のように幼稚園で考えると「幼稚園に通う費用が負担」とも思えますが、保育園の場合は、3歳未満児より3歳以上児の方が、保育料は安くなっていますので、なおさら「???」です。

*例えば、所得税課税額が40万円の家庭の場合、3歳未満児の保育料は月額4万円、3歳児の保育料は月額2万2,600円、4〜5歳児の保育料は月額1万8、000円です。

結局、「不況対策の生活支援」「子育て支援」「多子世帯支援」「就学前教育支援」といった複数の目的を次々と組み合わせていった結果、できあがったものは「全く整合性・説得性を欠く、意味不明の”たまたま特定条件に合致した世帯向けのバラマキ”」であるとしか、私には思えません。

定額給付金同様、全額が国による補助金ですので、補正予算には反対しませんでしたが、間違っても区による独自施策でこうしたことが起こらないよう注意はしておきたいと思います(もっとも、現在の区長及び区役所職員から、こうした”あまりに筋の悪い”提案が出てくることは考えられませんので、その点は安心してよいと思います)。

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